海外FXをサラリーマンがする場合の税金と注意点、おすすめ節税方法を解説

この記事を読んでいるあなたは、

  • 海外FXをサラリーマンがする場合の税金を知りたい
  • 海外FXをサラリーマンがする場合の注意点を知りたい
  • おすすめの節税方法を知りたい

上記のように考えているかもしれません。

今回は、そんなあなたに向けて「 海外FXをサラリーマンがする場合の税金と注意点、おすすめ節税方法」などをお伝えしていきます。

なお、以下の記事でおすすめの海外FX業者12社のランキングを詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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サラリーマンの海外FXの税金について

お札

サラリーマンが海外FXを利用する際、税金について知っておきたいことは以下です。

  • 税金は確定した利益に対してかかる
  • 利益の税率
  • 利益の計算例

それぞれ詳しく解説します。

税金は確定した利益に対してかかる

サラリーマンが海外取引で得た所得は、雑所得に当たるので総合課税が適用されます。

そのため、給与所得とFXの所得を合計した所得額から、累進課税率を算出して確定申告しなければいけません。

また、所得と利益は別のものとして扱われます。

所得は利益から経費を引いた残金であり、利益自体ではありません

仮に、利益から経費などを差し引いた金額が20万円未満であれば、確定申告は不要です。

利益の税率

サラリーマンがFXで得た所得は総合課税に当てはまるので、利益だけでは税率は決まりません。

所得を合計し、金額に応じて以下の税率が適用されます。

課税所得税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超330万円以下10%97,500円
330万円超695万円以下20%427,500円
695万円超900万円以下23%636,000円
900万円超1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

また、復興特別所得税は、所得税額×2.1%となります。

住民税の税率は以下を参考にしてください。

市区町村民税課税される所得金額×6%均等割り(自治体ごとに違う)
都道府県民税課税される所得金額×4%均等割り(自治体ごとに違う)

利益の計算例

利益を所得税を例に計算していきましょう。

給与所得520万円、海外FXの収入120万円(経費20万円)とした場合の所得税の計算方法は、以下の通りです。

所得金額の計算給与収入の額=5,200,000円
給与所得控除=1,580,000円
給与所得金額=3,620,000円
海外FXの所得金額の計算海外FX所得金額=1,200,000円-200,000円=1,000,000円
控除額の計算社会保険料等=280,000円
生命保険料控除=40,000円
扶養控除=380,000円(一般扶養親族のうち年齢16歳以上の者1人につき38万円)
基礎控除=380,000円控除額合計=1,080,000円
課税所得金額の計算3,620,000円(給与所得)+1,000,000円(海外FX取得)-1,080,000円(控除額)=3,540,000円
所得税の計算3,540,000円×20%(税率)-427,500円(控除額)=280,500円
復興特別所得税の計算280,500円×2.1%(税率)=5,890円

所得税+復興特別所得税=286,390円

海外FXで納税が発生するタイミング

金の豚

海外FXで納税が発生するタイミングは、1年間の取引によりどれだけの所得があったかが確定した時点です。

なので、年間の取引が終了したタイミングになります。

そのため、FX利用時に大きな勝ち越しがあったとしても、そのたびに税金は発生しません。

そして、課税は利益・損益・控除などを除いた所得に課せられます。

もしFXで利益だけがある状態で年末を迎えても、一定の基準に所得が達していなければ税金の支払いは不要です。

海外FXと国内FXの課税方法の違い

アタッシュケースの札束

海外FXと国内FXの課税方法の違いは、主に以下の3つが挙げられます。

  • 海外FXは累進課税であること
  • 海外と国内の双方の損失は合算できないこと
  • 損失繰越ができないこと

それぞれ詳しく解説します。

海外FXは累進課税であること

国内FXは、所得を問わず以下の税率が適用されます。

  • 所得税15%
  • 復興特別所得税0.315%
  • 地方税5%
  • 計20.315%

一方で海外FXは総合課税であるため、住民税は一律10%です。

しかし、所得税は所得によって変わり、5%~45%までの7段階の累進課税が適用されます。

所得ごとの所得税については、以下を参考にしてください。

所得額所得税率控除額住民税
195万円以下5%0円10%
195万円を超え330万円以下10%9万7,500円10%
330万円を超え695万円以下20%42万7,500円10%
695万円を超え900万円以下23%63万6,000円10%
900万円を超え1,800万円以下33%153万6,000円10%
1,800万円を超え4,000万円以下40%279万6,000円10%
4,000万円超え45%479万6,000円10%

海外と国内の双方の損失は合算できないこと

国内と海外の両方のFXを利用していると、当然それぞれの利益や損失が生じます。

しかし、国内と海外では課税方法が違うため、両方を合算したり相殺することはできません。

要するに、国内FXで利益を出した上で海外FXで損失を出し、合算して利益を相殺することで納税の必要をなくす、という行為は不可です。

実際には、海外の損益・国内の損益はそれぞれ別のものとして扱われ、それらを起算した所得に応じた税金を支払います

もちろん、複数の業者を利用していてもそれらが全て海外FXであれば、損益を合算することはできます

損失繰越ができないこと

損失繰越とは、最終利益がマイナスになった年の損失分を、翌年以降に繰り越す精度のことを指します。

例えば翌年以降に発生した利益を、前年の損失と相殺させることで税額を抑えることが可能です。

しかし、海外FXは損失繰越ができません。

どんな損益であれど、その年をもって損益が確定します

そのため、別々の年の損益同士で相殺することは不可能なのです。

サラリーマンが海外FXの申告をする手順

お金の体

サラリーマンが海外FXの申告をする手順は、以下の通りです。

  • 必要な書類を準備する
  • 確定申告書類を作成する
  • 作成した申告書を提出する
  • 必要な分の納税をする

それぞれ詳しく解説します。

必要な書類を準備する

まずは、以下のような確定申告に必要な書類を準備しましょう。

  • 海外FXにおける年間損益報告書
  • 必要経費の領収書
  • 会社の源泉徴収票
  • ほか生命保険証書など(あれば)

それぞれの書類の詳細は、以下の通りです。

海外FXにおける年間損益報告書MT4やMT5にて取得可能。取得する年度の「1月1日~12月31日」をセンラクシ、画面に表示されたものをダウンロード・印刷する。
必要経費の領収書FX取引や収入のある副業などで使った経費をまとめる目的で用意する。経費の金額をまとめた表を作成し、提出するだけでも問題ない。
会社の源泉徴収票会社から発行される書類。給与所得の税金を納めていることを証明するために用意する。
ほか生命保険証書など基礎控除以外の控除額の有無を証明するために用意する。該当する書類がなければ、提出しなくても問題ない。

確定申告書類を作成する

必要な書類を用意したら、次に確定申告書類を作成します。

確定申告書の作成や申請は、国税庁の公式サイトから作成できます。

FX収入に関連する項目に金額を記入し、算出した利益額と税額を記載しましょう

作成した申告書を提出する

完成した申告書は、基本的に郵送か税務署の窓口に直接持って行く形で提出します。

ただ、より簡単に提出したい方は、オンラインで提出可能なe-Taxを利用するのも1つの手です。

e-Taxのオンライン申請には、カードリーダーとマイナンバーカードが必須になります。

OSやブラウザバージョンも対応しているものを使う必要があるので、難しい方はほかの手段で提出しましょう。

必要な分の納税をする

確定申告書を提出し、特に問題がなければ納税額が確定します。

その後、税金の支払書が発行されるので、支払書にしたがって納税を行いましょう

郵送やe-Taxを用いて納税した場合は、支払書に記載された納税方法で金額を支払う必要があります。

しかし、税務署に直接提出した場合、その場で納税できるので簡単です。

海外FXでサラリーマンでも可能な節税方法

ゴールド

海外FXでサラリーマンでも可能な節税方法は、以下の通りです。

  • あえて決済せずポジションを保有したままにする
  • 損益通算をする
  • 必要な経費を計上する
  • サラリーマンが利用できる控除の利用
  • 海外FXでの経費を増やす

それぞれ詳しく解説します。

あえて決済せずポジションを保有したままにする

確定申告は、年間利益額を元に算出される特徴があります。

海外FXの場合、あえて決済せずにポジションを保有している状態にすることで、利益として確定させないことが可能です。

確定申告が必要になる年間20万円を超えそうなときは、ポジションを保有したままにして翌年の利益にすることができます。

これにより、大きな節税に繋がるという工夫です。

しかし、決済しないままでいると、利益が下がったりする可能性があるので注意しましょう。

損益通算をする

複数の海外FXを利用しているなら、利益と損失を合算させる損益通算が可能です。

総益通算によって合算した額が赤字になれば、税金が掛かりません。

例えば、1つのFX業者で利益が発生し、もう一方のFX業者で損失が出ると、損益通算の適用対象となります。

複数の海外FXによって生じたプラスとマイナスを相殺させることで、節税対策になるという工夫です。

しかし、国内FXと海外FXの損益通算は不可能なので気をつけましょう。

必要な経費を計上する

必要な経費をしっかり計上するのは、確定申告の基本的な節税方法です。

PC・スマホ・電気代・部屋代など、色々な要素を計上できます。

しかし、全ての出費を計上できるわけではなく、実際に投資活動で使用した分のみが計上可能です。

投資活動・プライベートの5:5でインターネット費用が発生しているしている場合、確定申告では月額費用の半分を計上する流れになります。

サラリーマンが利用できる控除の利用

サラリーマンが利用できる控除や経費は、主に以下の物が挙げられます。

  • ふるさと納税
  • 個人型確定拠出年金「iDeCo」
  • セルフメディケーション税制
  • 特定支出控除
  • 両親への仕送り
  • 住宅ローン控除

それぞれの詳細は以下の通りです。

ふるさと納税寄付扱いになる出費。寄付額から2,000円を控除した金額が、所得税や住民税から引かれる。寄付額に対して返戻金が用意されており、お得に控除できる。
個人型確定拠出年金「iDeCo」60歳以降に一時金を受け取れる個人年金。毎月積み立てる金額が所得控除の対象となる。
セルフメディケーション税制医師に処方される医療用医薬品や、薬局で扱っている医薬品に転用された医薬品を「スイッチOTC医薬品」と呼ぶ。そのスイッチOTC医薬品の購入額が12,000円を超えると、最大88,000円まで超えた分の金額を控除できる。
特定支出控除特別支出に値する金額の合計が、その人の年間給与所得控除額の半分を超えた場合、超えた分を所得金額から差し引く。以下のような交際費が特別支出に当てはまる。

  • 通勤費
  • 転居費
  • 研修費
  • 資格取得費
  • 帰宅旅費
  • 図書費など
両親への仕送り「6親等内の血族及び3親等内の姻族」に対して生計を1つにしていると、38万円以下の所得の人が扶養控除の対象となる。
住宅ローン控除10年以上の住宅ローンを組んだ上でマイホームを購入した場合、10年間年末のローン残高の1%に当たる金額を所得税から控除できる。

海外FXでの経費を増やす

海外FXで経費として認められるのは、主に以下のようなものです。

  • MT4で利用する有料インジケーターの購入費用
  • MT4で利用する有料EAの購入費用
  • 新聞代
  • プロバイダー料金
  • 光回線・wifi料金
  • VPSサーバー費用
  • FX会社に問い合わせをする電話料金/携帯電話料金
  • 文具・事務用品
  • PC/PC周辺機器
  • プリンター など

しかし、場合によっては認められない出費もあるので、詳しくは税理士や会計士に確認しましょう。

海外FXの税金が会社にバレない方法

お札を選ぶ

海外FXの税金が会社にバレない方法として挙げられるのが、「源泉徴収から普通徴収にする」というものです。

以下では、普通徴収にする方法や注意点について解説します。

源泉徴収から普通徴収に

源泉徴収を普通徴収に切り替えることで、会社に納品書が送付されず、本人のところに住民税が届きます。

普通徴収にする方法は簡単で、確定申告の際に住民税を「自分で納付」とするだけです。

すると、自宅に住民税の納付書が届き、近くの金融機関などで納税できます。

給与所得に関する住民税は、会社側が源泉徴収して納税してくれます。

また、「自分で納付」とし忘れた場合、住民税が通知される前に役所に相談すれば、普通徴収に切り替えてくれる可能性があります。

切り替え時の注意点

確定申告の納付方法を普通徴収にすると、自分自身で住民税を納税する必要があります。

その際に、以下の対策を行わなければいけません。

  • 納税忘れによる延滞に気をつける
  • 納税のための資金を確保する

納税忘れによる延滞料金は、普通徴収の場合支払い手続きを行う必要があります。

納品書を受けとり、コンビニや金融機関に振込手続きをしなければいけないので、少々面倒です。

また、ミスにより納税漏れがあると、2ヶ月で延滞税は年7.3%、それ以上過ぎると年14.6%にもなります。

そのため、納税忘れは必ず避けるようにしましょう。

意図しない納税忘れを対策するために、納税分用の費用を多めに用意するのがベストです。

海外FXでサラリーマンが納税する際の注意点

宙を舞う紙幣

海外FXでサラリーマンが納税する際の注意点は、主に以下の3つです。

  • 納税のための資金を残しておく
  • FX会社発行の年間損益報告書が必要
  • 領収書などはきちんと保存しておく

それぞれ詳しく解説します。

納税のための資金を残しておく

納税のための資金を取っておかないと、確定申告により納める税金に加え、無申告加算税が課されてしまいます。

無申告加算税は納税額50万円未満なら15%、納税額が50万円以上なら20%の割合になります。

無申告加算税を回避するためにも、納税に備えて資金を残しておくのが重要です。

また、納税に当てるお金が用意できない場合は、税務署に相談するのも1つの手。

期限を過ぎた場合でも、ケースによっては無申告加算税を減免してくれます。

FX会社発行の年間損益報告書が必要

海外や国内を問わず、FXに利益を確定申告するには、FX会社から発行される年間損益報告書が必要です。

FXでの利益や損益も確認できるので、しっかり用意しましょう。

また、年間損益報告書は、FXの取引ツールからダウンロードできます

領収書などはきちんと保存しておく

FXに関連する経費を申告するためにも、領収書は日頃からしっかり保存しましょう。

領収書は支払いの証明となり、経費として認められやすくなります

書籍代の場合は、FX以外で使った物と混ざらないように、書籍タイトルなどを領収書に入れてもらうのがベストです。

インターネット代に関しては、時間や接続先が分かる資料を用意すると、パケット使用量の中でどれくらいの割合がFXにに使われているかが分かります。

サラリーマンの海外FXに関してよくある質問

財布とお金

海外FXをする際によくある質問は、以下の2つです。

  • 税金を減らすための抜け道はあるか
  • 普通徴収に切り替えた時、会社から疑われるか

それぞれ詳しく解説します。

税金を減らすための抜け道はあるか

税金を減らすための抜け道はありません。

税金を払いたくないからと、確定申告でFXの利益を申告しないのはNGです。

というのも、FXの会社は利用者の1年分の取引結果が記載された支払い調書を政務署側に提出しています。

つまり、税務署は利用者が利益を得ていることを確定申告が行われる前の段階でも知っているのです。

要するに申告しなくてもすぐにバレてしまい、延滞税などのペナルティが課せられます。

FXで出た利益は、しっかりと確定申告して納税しましょう。

普通徴収に切り替えた時、会社から疑われるか

結論から言うと、源泉徴収から普通徴収に切り替えても会社にはバレません

というのも、普通徴収に切り替えても、給与所得分の住民税が会社から天引きされるからです。

つまり、普通徴収を選択した場合でも、納税する住民税は海外FXの利益のみとなります。

市区町村から務めている企業への通達に変化もないので、会社はもちろん、誰にも気づかれません。

簡単に手続きできるので、隠れてFXを利用したい方は普通徴収に切り替えましょう。

海外FXをサラリーマンがする際の税金まとめ

お金の海

今回は、「 海外FXをサラリーマンがする場合の税金と注意点、おすすめ節税方法 」を解説しました。

源泉徴収を普通徴収に切り替えるだけで、会社にバレる可能性を減らせます。

ただ、脱税は必ずバレてしまうので、ペナルティを回避するためにもしっかり税金を支払いましょう。

サラリーマンでFXを利用しようと思っている方は、この記事をぜひ参考にしてください。

なお、以下の記事でおすすめの海外FX業者12社のランキングを詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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